伝統的な日本家屋の“縁側”に着想を得て、住まいの内と外をゆるやかにつなぐ境界空間を現代の集合住宅に再構築しました。
その要となったのが、逆梁構造を発展させた「半逆梁構造」です。通常は天井側に位置する梁を床側へ下げることで、バルコニーとの境界に収納を兼ねたベンチスペースを創出。天井まで広がる窓から光を取り込みながら、これまで単なる通過点となりがちだった窓際を、外の気配を感じながら過ごせる居場所へと転換しています。
内でも外でもない曖昧な領域をつくることで、家族との会話や一人で過ごす時間など、多様な過ごし方を受け止める場所に。日本の住文化が育んできた縁側の価値を現代の暮らしへとつなぎ、日常の中に新しい余白を生み出しています。